地震によるマンションへの影響について

大阪北部を震源とする震度6弱の地震が発生。これは、豊臣秀吉が建てた伏見城の天守閣を倒壊させた時の断層によるものという。400年以上の間蓄積させたエネルギーは凄まじい。

 

もし、同じレベルの地震がイランなどの途上国で起きた場合にどうなるか?を考えると本当に恐ろしい。死者は数千から数万人に及ぶに違いない。しかし、日本は幸い建築基準や建設技術を発達させてきたおかげで倒壊という倒壊は今回の地震ではほぼ皆無となっている。

 

そもそも、こういった地震時に知っておくべきことは何なのか、注意するべきことは何なのかという疑問は多い。

 

地震の種類

大きく分けて、直下型とそうでないものに分類される。直下型の特徴は、縦揺れを感じ、激しく揺れる点にある。一方で、遠隔地で起きる地震は、横揺れがメインとなり、場合によっては長く揺れ続ける。ここで知っておくべきことは、地震波の周期による影響だ。

 

短周期

直下型の地震は、短周期的な揺れとなる。1秒間に何回揺れるかと考えてもらえればわかりやすい。短周期ゆえに、1秒間にたくさん揺れる。この揺れ方は、比較的低層の建物にダメージを加える。なぜならば、地震波の周期と建物固有の揺れ(固有周期という)が重なり、共振するため、建物の揺れが増幅されるからだ。

※どの建物も人間が感知できないレベルで揺れており、建物固有に揺れの周期を持っているため、固有周期と言います。

 

わかりやすい例が、阪神大震災や関東大震災だ。揺れによる被害の多くは低層の建物に集中していた。要は、直下型と戸建もしくは低層の建物は相性が悪いということになる。

 

長周期

遠隔地で起きる地震は、長周期的な揺れとなる。1秒間に揺れる回数は少ないが、大きくゆっくりと揺れる。この揺れは、高層の建物にダメージが加わりやすい。高層の建物の固有周期は長周期となっており、そこに長周期の地震波が加わると共振しやすくなる。ブランコをさらにスイングさせるのに、後ろから押してさらに大きくスイングさせるようなイメージだ。

 

わかりやすい例が、東日本大震災だ。都心などにある多くの高層ビルが長く揺れ続けた。すなわち、遠隔地の地震と高層の建物は相性が悪いということになる。

 

これを踏まえて

怖いものの順番は、地震・カミナリ・家事・オヤジと言ったものだが、地震が一番にくる本質的な理由は予想が難しい点にある。直下型(短周期型)が来るのか、遠隔地型(長周期型)がいつ来るのか一般の人にはわからないし、構ってられない。

 

なので、気にすべき点は、火事や屋内家具の転倒だ。火事に関しては、隣室や下の階でそれが起きていないかも知る必要がある。火がなくても、一酸化炭素を吸ってしまえば、人的なダメージがあるからだ。家具は固定するなりいくらでも工夫の余地がある。

 

旧耐震基準の建物でもない限り建物倒壊の確率は低い。地震がくれば、それなりに揺れる。その際の対策だけきちんとしておけば、致命的なダメージを負う確率は低くなる。地震災害があると気持ちが落ち、ビクビクして暮らす日々が少しの間続く。

 

しかし、地球も生き物だと捉えれば、地震はあって当たり前。人類として、賢くそれに対応し、少しでも早くネガティブな感情が無くなればと思う。