マンションの一室を賃貸に出す前に注意しておくべきコト

マンション購入者のほとんどが35年もの長期に渡るローンを組んで「終の住処」としている。しかし、35年という期間はあまりにも長く、地方の公務員などでもない限りは労働環境等の変化により引っ越しや住み替えを迫られるケースが多々発生する。

投資目線で購入したマンションでない限りは、中古住宅しての販売価格が新築時の購入価格を超えることはほぼ100%無い。となると、次に考えるのは賃貸に出すコトではないだろうか。

自らが所有権を保持したオーナーという立場のままで、他人に共同住宅であるマンションの一室を貸し出す際に最低限注意しておくべき事項がある。

 

意思に反した運命共同体

賃貸契約を締結する際に、占有者となる賃借人に対して、マンションの管理規約遵守に関わる誓約書も提出してもらうのが通例となっている。これは、マンションという住居は、他人と建物や土地を共有しながら生活を営む共同住宅という性質からくるものだからである。すなわち、共同住宅という特性上、占有者(賃借人)にもルールを遵守させるコトでマンションの秩序を保つ意味合いがあるからだ。

では、賃借人がマンション管理規約に定められたルールを守らず、迷惑行為を頻発に繰り返した場合にどのような事態になるのか。最悪は、管理組合からの「引き渡し請求」の提訴によって、共同住宅から法的に排除されるコトになる。しかも、所有権を持ったアナタが共同被告人として。どのような行為によってこのような最悪の事態になるのかは過去の記事を参照してもらえれば分かりやすいかもしれない。

確定判決後は元の所有者へ

引き渡し請求によって占有者としての立場が奪われるのは、賃借人であって、貸主となるオーナーではない。裁判所からの確定判決後は、アナタの所有する一室は、原告となる管理組合等に引き渡され、最終的にアナタの元に引き渡されるコトになる。ケースにはよるものの、それまでに管理組合が被った費用等の請求が発生するコトもあるため、放っておけば、最終的に自分の元へ専有部分が戻ってくると安心してはいけない。仮に金銭的な負担が無かったとしても、マンションに住む他の住人からの信用を失った状態には替わりないのだから。

良くも悪くもマンションは他人同士が生活を営む共同住宅となっている。この性質上、敷地内や建物内の秩序は非常に重要な事項となることは容易に理解できる。賃貸に出すときは、こう言った常識的なコトが分かる人に貸さなくてはならない。