把握しておこう、マンションにおけるペットの飼育について

古来から犬や猫は人間と共に生活してきた動物だ。家族と言ってもいい存在かもしれない。ただそれは、「動物好きの人たちにとっては」という大前提があり、これからペットの飼育を検討している人は多いに加味すべきである。区分所有法上ではペットの飼育の是非を直接的に述べるようなものは無いため、実質的には各々のマンションで制定されている管理規約に沿うコトとなる。

 

規約で禁止されている場合

 もう完全にアウトだ。飼育そのものの検討を止めるべきだ。ひと昔前は、禁止されているマンションでもペットの飼育をしている人がたまに居たものだが、今の社会では止めた方がアナタだけでなく、動物にとっても不幸な結果とならないと言える。
 理由は、規約違反者に対して法的な排除が可能だからだ。ペットの飼育が他の住人にとって明らかな迷惑行為とみなされることで、区分所有法に触れるコトとなる。具体的な禁止条項に関する内容は下記リンクにある過去の記事を参照してほしい。
 

規約で禁止されていない場合

この場合は節度を守った飼育を心掛けるべきだ。例えば、他の住人へ噛み付いたりしないようにするコトは当然の事、異臭を発しないようにしたり、夜中に鳴き声が聞こえないようにといった措置は必須だと心得るべきだ。
なぜならば、所詮は管理規約がペット飼育の可否を定義しており、議決権の3/4の賛成があれば、変更できてしまうシロモノだからだ。要は、今は禁止されていなくても、迷惑行為が続いたりするコトによって後々に「ペットの飼育禁止」とするコトも可能な要素がある。
 

まとめ

家族となるペットとの共同生活は心理面において大きな助けになるコトは科学的にも証明されている。一方で、動物嫌いな人が必ず居るコトもまた紛れもない事実だ。特にペットの飼育による些細な問題は大きなトラブルに発展するようだ。実際に、訴訟に発展するような極端なケースもある。(平成6年3月の東京地裁のケースでは、共同の利益に反する行為として、無断でペットを飼育していた居住者が敗訴した。)
 
共同住宅である以上は、自分とは価値観の異なる人も一緒に建物等を共有している意識が必要だ。変更の効く管理規約による制限である以上は、規約変更によってペット飼育の可否を許可制などに変更する余地もあるだろう。それでも、やはり他の住人への配慮はペットの飼育のみに限らず必要な行為だ。