マンション管理のミライを考える
マンションの所有者が毎月支払う管理費や修繕積立金は一定年数ごとに増額される。これには複合的な要素があり、一つには劣化の度合いが変わること。もう一つには、分譲時の設定金額が低く設定されていること、などが挙げられる。
現状は、時間経過とともコストも上昇するということだけは確定的となっている。今まで支払ってきたコストが上昇することを好む人は稀だろう。では、どうやってそれを抑えるのか。
「競争の原理を導入する」
これに尽きる。維持管理はコストのカタマリ。ならば、それをいかに削るのかを考えなくてはならない。競争の原理導入という合理的なやり方を採用するだけだ。相見積もりが面倒臭いなんて言っていてはいけない。自分たちのお金を守る為に、実行あるのみだ。
インターネットというインフラのおかげで世の中は便利になり、マンション管理会社の比較サイトなるものも当然にある。こういったものを活用すると良いかもしれない。
比較後の乗り換えには、リスクもあることは念頭にいれておいておく必要がある。それは、適正なサービスが担保されているのか、ということである。要は、コストとサービス品質のバランスがきちんととれているかどうかということだ。コストがどれだけ安くても、管理不全になってしまえば本末転倒だ。
このような比較によって管理費等の削減はある程度までは可能となる。しかし、考えなくてはならないのはこの先だ。管理費は増加の一途を辿るが、それをマンションの所有者が拠出し続けられ、適切な管理が維持できるかどうかは不確実極まりない。
マンションの寿命は50年程度だと言われており、そのあとは、建て替えという唯一の選択肢が用意されているようである。いや、それしか用意されていない。日本初の分譲マンションは築60年程度で建て替え工事に至った。しかも、これはラッキーなケースであり、建て替えによって戸数が増加したのだ。つまり、新しく増加する分を販売に回せる為、元々の所有者が負担する建て替え費用は低くなることを意味している。
全てのマンションにこういったケースが当てはまるワケではない。しかも人口減少となる日本においては、数十年後にはマンションの需要すらなくなくなっているかもしれない。この国の空き家率は先進国トップの比率となっているぐらいだ。
では、どうするべきなのか。来たるミライに向かって。
それは、管理の「最適化」となるに違いない。極限まで合理化を進めながらも、管理不全にならないように維持・管理し可能な限りコストを下げながら、可能な限り延命すること。おそらく、(現時点では)それ以外に方法論がない。