マンション管理規約の元となる標準管理規約

マンションを取得すると必ず配布されるのが「標準管理規約」だ。これは、この規約がアナタの住む建物の言わば、法律のような役割を果たす。

マンション標準管理規約の性質

そもそも、この標準管理規約は、それぞれのマンションによって内容が異なっている(ものだ)。マンションそれぞれの事情に合わせた内容にカスタマイズされているのがあるべき姿だ。しかし、実際にはそうでないケースもある。シンガポールの民法と日本の民法に違いがあるのと同じだと思ってもらえればいいかもしれない。

マンション標準管理規約の成り立ち

標準管理規約が最初に作られたのは、昭和57年だ。当時は、住居専用の中規模マンションを想定して作られている。その後、区分所有法の改正に合わせて何度か改正され、住居専用マンションを対象とした単棟型用、団地を対象とした団地型用や、店舗等と並存するマンションを対象とした複合用途型も定められるようになった。

では、この最初のフォーマットを作成したのは誰か?

国土交通省である

本来は管理組合ごとで規約の案を練って、作成していくだけなのだが、そんな知識をもった人が同じマンションの住人に居るコトは極めて稀だ。仮にそんな人が居ても、ボランティアでその知識と労力を使ってくれる人は皆無だ。

そんな事情を鑑みてなのか、管理組合ごとに規約を作成する際の指針として、国土交通省が「標準管理規約」のフォーマットを公開してくれているのだ。新築の分譲マンションなんかの場合を考えてみると分かりやすいが、そもそも組合が発足する前から管理規約が発行されている。これは、分譲業者が上記の標準管理規約を元にして用意してくれている。

指針は強制力を保持していない

ここで一つポイントとなるのが、指針として国土交通省が公開してくれている管理規約のフォーマットだが、これはあくまでも指針であって、それを用いることを強制しているものではないのである。法的拘束力は持たない。

すなわち、マンション管理規約を条文が全部で3行程度しかないスカスカの内容のものにすることもOKであり、逆に、駐輪場の自転車の駐輪角度までをも厳密に定める1000行以上もある充実した内容にすることもOKだ。

実態に沿った内容に改変していくもの

文頭にも述べたように、マンションの管理規約をアナタの住処であるマンションを管理・運営する為の「法律」のような存在である。そんな大切な代物であるにも関わらず、内容が不十分かつアナタのマンションの管理・運営に即していなければ意味を成さない。実態に則していなけば、ロスを引き起こすこともある。

マンションを取得した人は休日にゴロゴロしながらでもいいので、どんな条文が書かれているの軽くチェックしてみてほしい。日本で最古の憲法でさえ17条まではあったので、それ以上の条文がアナタのマンション管理規約に設けられていることを願う。